クラニオセイクラルセラピーは、オステオパシーの医療体系から派生した、非常に穏やかな手技療法です。オステオパシーの創始者であるA.T.スティル博士の考えを継承し、その弟子であるサザランド博士が発展させ、さらにアプレジャー博士が確立させました。
■頭蓋仙骨療法とは
「クラニオ」=「頭蓋骨」「セイクラル」は「仙骨(骨盤の中央にある骨)」を意味します。そのため、日本語では「頭蓋仙骨療法」とも呼ばれ、「クラニオセイクラル療法」や「クレニオセイクラルセラピー」といった様々な呼び方があります。
■どのような施術か
クラニオセイクラルセラピーの最大の特徴は、ごく軽いタッチで体に触れることです。具体的には、ストレスなどで緊張して硬くなった体の組織を優しく緩め、頭蓋骨と仙骨の間を流れる「脳脊髄液(のうせきずいえき)」の循環を改善・促進させることを目指します。
脳脊髄液は、脳や脊髄を保護し、栄養を供給する大切な役割を持っています。この液体の流れがスムーズになることで、身体全体のバランスが整い、人間が本来持っている「自然治癒力」を高めることを目的としています。
心身の緊張を和らげ、リラックスを促しながら、体の内側から健康を取り戻していく手助けをしてくれるのです。

クラニオセイクラルセラピーは、どのようにして生まれたのでしょうか?そのルーツは、オステオパシーの創始者の弟子にまで遡ります。
クラニオセイクラルセラピーの始まりは、オステオパシーの創始者であるA.T.スティル博士の弟子、サザランド博士(1873-1954)の鋭い観察眼からでした。
彼はある日、バラバラになった頭蓋骨を眺めているうちに、頭蓋骨の骨と骨のつなぎ目(これを「縫合」と呼びます)が、まるで魚のエラのように見えることに気づきました。「もしかして、頭蓋骨も呼吸のようにわずかに動いているのでは?」そう考えたサザランド博士は、この仮説を検証するために、実験と研究を重ねました。
私たちは普段、頭蓋骨が硬い一枚の骨だと思いがちですが、実際には15種類23個もの骨がパズルのように組み合わさってできています。サザランド博士は、この縫合が、呼吸のように微細に動き、それが体内の体液(脳脊髄液など)の循環と深く関わっているという仮説を立て、臨床を通してその可能性を探っていきました。
サザランド博士の研究は、彼の弟子であるローリン・ベッカー博士(1910-1996)によってさらに深められました。
そして1970年代に入り、オステオパシー医でミシガン州立大学の教授だったアプレジャー博士らが、脳手術の助手を務めていた際に、驚くべき発見をします。それは、脳を覆う「硬膜」という膜が、まるで呼吸のように一定のリズムで膨らんだり縮んだりしている、という事実でした。
この発見をきっかけに、ミシガン州立大学で行われた研究によって、実際に頭蓋骨が一定のリズムで微細に動いていることが科学的に証明されました。この画期的な発見により、アプレジャー博士は「頭蓋仙骨治療の生みの親」と呼ばれるようになります。
アプレジャー博士は、脳を包む硬膜の緊張が、脳脊髄液(脳と脊髄を保護し、栄養を供給する無色透明な液体)の流れを悪くしてしまうと考えました。そして、この脳脊髄液の流れの滞りが、頭痛、不眠、うつなどの精神神経症状や、自律神経の不調の原因になっているのではないか、という仮説を立てました。
実際に、彼は多動症や自閉症の子どもたちの治療において、良い結果を出してきたとも言われています。
そしてアプレジャー博士は、この硬膜の緊張を優しく緩める治療法を「クラニオセイクラルセラピー(頭蓋仙骨療法)」と名付け、1985年に商標登録を行いました。
このように、クラニオセイクラルセラピーは、先人たちの地道な研究と発見が積み重なって、現代の治療法として確立されていったのです。
クラニオセイクラルセラピーは、非常にソフトなタッチで行われる治療法で、その安全性と幅広い適用範囲が特徴です。具体的な施術内容と、一般的な西洋医学との違い、そして世界での広まりについて見ていきましょう。
クラニオセイクラルセラピーの施術は、まるで羽毛で触れるような優しいタッチが基本です。主に頭蓋骨や仙骨に触れて行いますが、体のつながりを重視するため、耳や頬骨、顎、足などからアプローチする場合もあります。
この繊細な手技によって、脳と脊髄を循環する脳脊髄液の流れがスムーズになり、中枢神経の働きが活性化されます。また、ストレスなどで緊張している筋膜が緩むことで、血液やリンパ液の巡りが改善され、体が本来持っている免疫システムやエネルギーシステムが高まります。
さらに、脳を包む硬膜の緊張が解けることで、心の奥底に抑え込まれていた感情が解放され、過去のトラウマや長年のストレスが解消されることも少なくありません。心と体の両面からのアプローチが、クラニオセイクラルセラピーの大きな特徴です。
オステオパシーと同様に、クラニオセイクラルセラピーは、患者さんが自覚している「痛みのある部分」だけに焦点を当てるのではなく、身体全体に働きかける自然療法です。
たとえば、胃が痛いときに胃のレントゲンを撮って薬を飲んだり、手術をしたりする西洋医学の「対症療法」とは異なります。クラニオセイクラルセラピーは、症状の根本原因を探り、体の本来持っているリズムとバランスを取り戻すことを目的としています。薬や手術に頼らず、体が自ら治ろうとする力をサポートするのです。
クラニオセイクラルセラピーは、マッサージや、ハードなカイロプラクティック・整体などに慣れている方にとっては、「物足りない」と感じるほど優しい力で行われます。あまりにリラックスして、施術中に眠ってしまう方も少なくありません。
そのため、体の負担が非常に少なく、赤ちゃんから妊婦さん、産後のお母さん、ご高齢の方、そして障害のある方まで、幅広い層の方々に安心して受けていただけます。
※ただし、脳血管障害や血栓症をお持ちの方は、原則として適用外となります。必ず施術を受ける前にご相談ください。
クラニオセイクラルセラピーは、現在世界135カ国で普及している、非常にポピュラーな治療法です。そのため、クラニオセイクラルセラピーが身近な国から日本にいらした方が、当院で施術を受けられるケースも多く見られます。
また近年では、書籍や雑誌でオステオパシーやクラニオセイクラルセラピーに興味を持たれた方や、実際に施術を受けてその良さを実感した方からのご紹介で来院される方が増えています。国内外でその効果が認められ、注目を集めている療法と言えるでしょう。
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頭蓋骨〜脊柱〜仙骨
(脳脊髄液の循環)根本的に下記のほとんどの問題に関連
慢性疲労症候群、鬱、咳、花粉症、アレルギー、アトピー性皮膚炎、過敏性大腸炎、不定愁訴、胃痛、全身の浮腫、やる気無さ、癌治療後のしんどさや鬱症状
頭蓋部の原因でおこりえる主な問題
頭痛、むち打ち、肩こり、めまい、耳鳴り、鬱、咳、慢性疲労、不眠、生理不順、アトピー性皮膚炎、帯状疱疹、花粉症、過敏性大腸炎
頭頸部の原因でおこりえる主な問題
頭痛、顎関節症、咳、むち打ち、肩こり、首痛、めまい、耳鳴り、四十肩、五十肩、手の痺れ
肩関節、肘関節、手首関節の原因でおこりえる主な問題
胸郭出口症候群、腱鞘炎、野球肩、テニス肘、ゴルフ肘、手の痺れ、四十肩、五十肩、頭痛、肩こり、首痛、バネ指
上部胸椎、肩関節の原因でおこりえる主な問題
胸郭出口症候群、肋間神経痛、胸の痛み、手の痺れ、四十肩、五十肩、頭痛、むち打ち、肩こり、首痛、めまい、耳鳴り
胸椎腰椎の原因でおこりえる主な問題
側湾症、椎間板ヘルニア、腰椎脊柱管狭窄症、胃痛腹部の痛み、腰痛、ギックリ腰、肋間神経痛、肩こり、首痛、めまい、耳鳴り、四十肩、五十肩、手の痺れ、腰椎分離滑り症、坐骨神経痛、足の痛み
骨盤及び仙骨の原因でおこりえる主な問題
椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰痛、ギックリ腰、股関節障害、膝痛、側湾症、生理痛、便秘、頻尿、慢性疲労症候群、鬱、花粉症、首痛、坐骨神経痛、梨状筋症候群、足の痛み
股関節、膝関節、足関節の原因でおこりえる主な問題
股関節障害、膝痛、足の痺れ、十字靭帯の痛み、半月板の障害、オスグッド・シュラッター病、ジャンパー膝、シンスプリント、ベーカー嚢腫、足底腱膜炎、モートン病、鵞足炎、外反母趾
内臓疾患は 内臓の可動性、自動力の低下が原因でおこると思われるので頭蓋骨〜脊柱〜仙骨(脳脊髄液の循環)施術法及び内臓マニュピレーションが適用できます。